読むためのエスペラント文法④

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さて、今回でついにエスペラント文法の最終回です。今回はエスペラントの最も重要な要素である造語法を中心に解説をしていきます

造語法の基本

 エスペラントは習得を容易にするための様々な工夫がありますが、中でも造語法を多用して語彙習得を容易にしているのは特徴的です。エスペラントの単語の中には漢字のように組み合わせられた単語が多くあるので、そういう点では日本人には少しなじみやすいかもしれません。

いくつかの単語を分解してみましょう。

posttagmeze[午後に] → post[~後] + tagmeze[正午] → (tag(o)[日] mez(o)[真ん中] -e[副詞語尾] )

partoprenanto[参加者] parto[参加] + prenanto[~をする人] →(pren(i)[(参加)する] + anto[~する人])

造語法で作られた単語を辞書で引くときに気をつけなければならないのは、単語と単語の連結部に子音が連続する時に母音が挿入される場合があることです。

普通は-o-が挿入されますが、意味上-a-(形容詞)や-e-(副詞)が挿入されることもあります。

partoprenanto

lastatempe[最近]

目的格の特別な用法

名詞や形容詞の目的格

目的格は普通、動詞の目的語を示します。主格の後ろに[-n]をつけることで目的格になります。

Mi mangas panon.[私はパンを食べます]

しかし、目的格は単に動詞の目的語になるだけでなく、時間や数量を表すこともできます。

Ciutage unu horon mi lernas Eperanton.[私は毎日一時間エスペラントを学ぶ]

Sia valizo estas dek kilogramojin peza.[彼女のスーツケースは10㎏の重さだ]

そして目的格にはもう一つ移動・方向を表す用法もあります。

Li metis libron sur la tablon.[彼は本を机の上に置いた]

La libro estas sur la tablo.[その本は机の上にある]

名詞だけでなく、場所を表す副詞にも目的格の-nをつけることで同じように移動・方向を表すことができます

Kien vi iras?[どこに行くのですか?] Kie(どこ)

分詞構文

最後の項目は分詞構文です。エスペラントには受動の接尾辞[-it-]や[-at-]や[-ot-]、あるいは能動の接尾辞[-inte](完了)[-ante](継続)[-onte](未然)などがあり、これらを使った分詞構文があります。英語などと大きく異なる要素はないので見ればすぐに分かると思います。

能動の分詞構文の例

Trinkinte kafon, ŝi ekstaris.

コーヒーを飲み終えると、彼女は立ち上がった。

Manĝante kukon, ŝi legis leteron.

ケーキを食べながら、彼女は手紙を読んだ。

受動の分詞構文の例

Batite de knabo, la hundo forkuris.

子供にぶたれて、その犬は逃げ帰った。

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以上でエスペラントの基礎的な文法の紹介は終了です。

さて、これを使って来週から「エスペラントで小説を読む」という企画をやりたいと思います。読む小説はエロシェンコというソ連のエスペランティストの『枯葉物語』という作品です。ただし、参加者は私も含め特にエスペラントに詳しい人がいるわけではないので、パズル的に読解することになると思います。私の書いた記事にだけ目を通しておけば前提知識ゼロでも参加できますので興味がある方はぜひお越しください。参加したい方は言語研のツイッターのDMまたはtohoku.lang@gmail.comまで!

初回は11月15日の20時から言語研のディスコードで行います。

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