今回のエスペラント文法では文の構造や仮定法などの少し細かい部分を抑えていきます。
語順
エスペラント語では目的語を表す語尾[-n]があり、常に主語と目的語を形で見分けることができるので決まった語順はなく、文法的には語順は自由です。(疑問文や比較表現にはきまった形があります)
しかし、主語・動詞・目的語という語順が最もよく見られる形であり、語順でニュアンスが変化することもあるので読む(特に翻訳する)際には十分な注意が必要です。
無主語文
エスペラントには意味のない形式主語は不要で、主語がないので形容詞の代わりに副詞を使います。
Pluvas. (雨が降っている)
Neĝos morgaŭ. (明日は雪が降るだろう)
指示詞
エスペラントの指示詞は話者から相対的に近いか/遠いかの2つだけです。
tiu ĉi (この) | tio ĉi (これ) |
tiu (その・あの) | tio (それ・あれ) |
不定代名詞
「一般に人々は」と言う時や、誰であるか告げたくない/告げる必要のない人を主語として表すときに使われるのが不定代名詞であり〈oni〉が使われます。
Oni diras, ke Petra edziniĝis al Masao. (噂ではペトラはマサオの妻になったそうだ)
再帰代名詞
3人称の代名詞では主語と目的語が同一人物の場合とそうでない場合があります。これを区別するために用いられるのが再帰代名詞〈si〉です。これは主語になることはありません。
Li longe rigardis lin. (彼は別の彼をずっと見ていた)
Li longe rigardis sin en spegulo. (彼は鏡で自分をずっと見ていた)
勧誘表現
勧誘表現には2種類があります。
Ĉu ni +命令形-u ? (一緒に~しませんか?)
Ĉu ni trinku kafon? (コーヒーでも飲まない?)
Ni 命令形-u? (より強い表現)
Ni iru al la maro! (海へ行こうよ!)
仮定法
語尾が[-us]の動詞は仮定を表します。
また〈se〉は「もし~」という意味の過程や条件を表す接続詞です。
Se mi estus birdo, mi povus flugi al vi. (もし私が鳥だったら、あなたの所に飛んでいくのに)
また、仮定法を使って遠慮深い表現をすることもできます。
Ĉu mi povus peti vian helpon? (ちょっとお願いしてもかまいませんか?)
今回はここまでです。次回はいよいよ造語法の解説に入ります。