作曲家・澤野弘之さんとドイツ語

作曲家・澤野弘之さんとドイツ語

 Guten Tag! 東北大学言語研究会のhiraです! ドイツ語を勉強中の、工学部3年生です。

 今回は「進撃の巨人」「まれ」などのBGMを手掛ける日本の作曲家、澤野弘之さんとドイツ語の関係について扱いたいと思います。日本人なのにドイツ語? と不思議に思われるかもしれませんが、この澤野弘之さん、ドイツ語を自身の歌に頻繁に使用するのです。

 それでは皆様、今回もドイツ語の世界に触れていきましょう!

 作曲家・澤野弘之さんは1980年生まれの日本の作曲家。TVドラマ「医龍-Team Medical dragon-」や「連続テレビ小説 まれ」の、TVアニメは「進撃の巨人」「七つの大罪」など、数多くの作品を手掛ける劇伴作家で、壮大で迫力のあるサウンドや、洋楽を思わせる重厚ながらキャッチーなボーカル付きのBGMなどが特徴です。アニメやドラマのBGMを手掛ける方々の中でも、私がいv地番好きな作曲家さんです。

 そんな澤野弘之さんですが、「進撃の巨人」をはじめ、「医龍」「アルドノア・ゼロ」などでドイツ語をボーカルに使用したBGMを多く作曲されているのです。澤野弘之さん自身は、Twitterで次のように述べております。

 このツイートも2013年、8年前のツイートなので、もう10年以上音楽にドイツ語を取り入れ続けているのですね。

①ßios(TVアニメ「ギルティクラウン」より)

 ここからは実際に、澤野弘之さんの作曲された音楽で、ドイツ語の使われている楽曲を紹介していきたいと思います!

 まずはTVアニメ「ギルティクラウン」より、メインテーマ「ßios」。

 ギルティクラウンは「アポカリプス・ウイルス」のまん延により混乱に陥った末、GHQの傘下に置かれた日本が舞台のSFアニメです。主人公の覚醒シーンなど、ここぞというときに使用されるこの楽曲「ßios」には、ドイツ語がふんだんに使用されております。

Regentropfen sind meine Tränen
雨粒は私の涙
Wind ist mein Atem und mein Erzählung
風は私の呼吸と物語
Zweige und Blätter sind meine Hände
枝葉は私の手
denn mein Körper ist in Wurzeln gehüllt
私の体は根っこに包まれているから

 歌詞で歌われているのは、主人公と死別したヒロインが、主人公を想い「私はここにいるよ」と呼びかける言葉です。ドラマチックなロックサウンドで歌われる、意味が分かると切ない歌詞にはギャップがあって、魅力的な楽曲となっております。

②Tears of the dragon(TVドラマ「医龍-Team Medical dragon-」より)

 2つ目は医療ドラマ「医龍-Team Medical dragon-」より、「Teas of the dragon」。青年漫画が原作の、2006年に坂口憲二さん主演のドラマです。

das Regenwasser glänzt in der Sonne
雨水は太陽の下で輝き
die Blätter tanzen mit Wind in der Luft
葉は風と共に踊る
wolken ziehen mit den Vögeln
雲は鳥と共に流れ
und werden ein Drache
そして龍となる

 澤野弘之さん得意の激しく壮大なメロディが特徴の楽曲で、ドイツ語のリリックも特徴的です。

③attack on titan(TVアニメ「進撃の巨人」より)

 3つ目はTVアニメ「進撃の巨人」より、「attack on titan」。人間を喰らう巨人たちと戦うこのアニメ、このattack on titan自体が「進撃の巨人」の英語タイトルです。そんなタイトルを関しているだけあってこの楽曲は進撃の巨人のメインテーマであり、ここにもドイツ語が使用されております。

Ist das Zerstorer oder der Schopfer?
それは破壊者か創造者か?
Mit der Glut des Hasses schwenken wir die Schwerter
憎しみの炎と共に私たちは剣を振る
Ist das unser Schinksai oder unser Wille?
それは私たちの運命か、意志か
Wir werden kampfen, bis dieser heiße Wind unsere Flugel nimmt
この熱風が私たちの翼を奪うまで、私たちは戦う

 今までの2つの楽曲と異なり、これは本編さえ知っていれば意味の分かりやすい歌詞ですね。壮大な音楽とキャッチーなメロディラインで、進撃の巨人の世界を彩る名曲です。

まとめ

 今回は劇伴作家・澤野弘之さんの楽曲に使用されるドイツ語について解説してまいりました。進撃の巨人、ギルティクラウンなど、澤野さんの担当されたアニメが好きな方は、この記事を機にドイツ語にも興味を持っていただけたら嬉しいです。それでは皆さま、Auf Wiedersehen!

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