さて今回も先週に引き続き、エスペラント文法の解説を行いたいと思います。「読むため」の文法解説ですので例文や一部の文法事項は省いてしまいますのであらかじめご了承ください。
冠詞
エスペラントにも英語やドイツ語のように冠詞がありますが、定冠詞〈la〉の1種類だけです。一度話題に上ってお互いが認知しているものについて〈その~〉という意味を表すほか、太陽や月のようによく知られているものにつきます。
libro(本) la libro(その本)
疑問詞
エスペラントの疑問詞は一つを除いて全て語頭がki-で始まり、常に文頭に置かれます。
kio | なに? |
kiu | 誰/どれ/どの? |
kia | どんな? |
kies | だれの? |
kie | どこに? |
kiel | どのように? |
kial | なぜ? |
kiam | いつ? |
kiom | どのくらい? |
はい/いいえで回答できる疑問文には〈ĉu〉を使用します。これも文頭に置き、用法は他の疑問詞と変りません。
関係代名詞
関係代名詞は先行詞を関係代名詞はkiuで、先行詞が人であっても物であっても使うことができます。基本的に英語の用法と大きな違いはありません。
名詞に準じて変化するので名詞の変化にご注意ください。
・La detektiva romano, kiun(単数目的格) vi pruntedonis al mi, estes tre interesa. (君がぼくに貸してくれた探偵小説はとても面白い)
接続詞
接続詞には等位接続詞と従属接続詞があります。
等位接続詞は文と文(あるいは単語と単語)を〈順接・選択・逆接・否定〉的につなぐ単語で、それぞれ〈kaj/aŭ/sed/nek〉を使います。
・Mi haves krajonon kaj libron. (私は鉛筆と本を持っている)
従属接続詞はその接続詞で始まる文がつながれる文の要素の一部になり、ふつう〈ke〉が使われます。
・Ĉu vi memoras, ke ili geedziĝis? (彼らが結婚したことを覚えていますか?)
はい/いいえで回答できる疑問文を作る〈ĉu〉は「~かどうか」という意味の接続詞として使われます。
・Mi ne estas certa, ĉu ŝi amas min. (彼女が私を愛しているのかどうか私は自信がない)
相関の接続詞
接続詞が二つ組み合わされて係り結びのように使われることがあります。
① ĉu A, ĉu B (Aであれ、Bであれ)
② nek A, nek B (AもBもない)
③ aŭ A, aŭ B (AかまたはBかどちらか)
④ ne A, sed B (AではなくBだ)
⑤ ne nur A, sed ankaŭ B (AもBも両方とも)
比較
比較級は次のような構文で使われます
A pli +形容詞/副詞 ol B (AはBよりも~だ)
Petro estas pli simpatia ol Johao. (ペトロはヨハーノよりも好感が持てる)
最上級はpliの代わりにplejを使い、定冠詞をつけます。
la plej +形容詞/副詞
Li estas la plej alta studento en la klaso. (彼はクラスで一番背が高い生徒だ)
同等表現
A + tiel 形容詞/副詞 kiel B (AはBと同じくらい~だ)
La rusa ligvo estas tiel malfacia kiel la araba. (ロシア語はアラビア語と同じくらい難しい)
呼応表現
ju pli 形容詞/副詞, des pli 形容詞/副詞 (~であればあるほどますます~だ)
Ju pli frue, des pli bone. (早ければ早いほど良い)
今回はここまでです。次回は文の構造や様々な表現について扱う予定です。