アニメ「進撃の巨人」とドイツ語 ~その①:「紅蓮の弓矢」~

アニメ「進撃の巨人」とドイツ語 ~その①:「紅蓮の弓矢」~

 Guten Tag! 東北大言語研究会のhiraです! このサイトではドイツ語を担当しております!

 皆さんは「進撃の巨人」という漫画をご存じでしょうか? 講談社「別冊少年マガジン」に連載されていた作品で、今年の4月に完結しました。人間を喰らう「巨人」と人間たちの戦いを描いた作品で、世界的な人気を誇ります。

 「何でこのサイトで漫画の話?」と思われるかもしれませんが、この「進撃の巨人」はドイツ語と大きな関わりがある作品なのです。2013年にアニメ化されたこの作品なのですが、オープニングや劇中BGMにドイツ語がつかわれており、筆者がドイツ語に興味を持つきっかけになった作品でもあるのです。

 そこで今回はこの進撃の巨人の1クール目のオープニングテーマ「紅蓮の弓矢」に登場するドイツ語を翻訳していきたいと思います!

「進撃の巨人」とドイツ語の関係性

 まずは本題である「紅蓮の弓矢」の翻訳の前に、この「進撃の巨人」とドイツ語にどんな関係があるのか、簡単に解説していきます。

 物語の舞台になるのは、巨人たちから人々を守るために壁に囲まれた町。100年前に巨人たちが出現、大勢の人間が食されその生き残りが巨大な壁を築き上げそのなかで安全に反映していった……という経緯で作られた町なのですが、この街にはモチーフがあるそうなのです。

 それが下の画像の街、「ネルトリンゲン」。ドイツのバイエルン州にある町で、確かに壁に囲まれている円形の街。進撃の巨人を読んだことのある方々なら、確かに似ていると感じるでしょう。

 そしてこの作品の主人公となるのが「エレン・イェーガー」。巨人に母親を食われ、以降「全ての巨人を駆逐する」ため戦う少年です。そんな彼ですが、この「Jägerイェーガー」という単語にはドイツ語で「狩人」という意味があります。巨人の命を狩るべく戦うエレンにふさわしい苗字ですね。

 このように舞台設定、そしてキャラクターの名前にドイツ語の要素が含まれているのです。それを受け、「紅蓮の弓矢」をはじめ主題歌や挿入歌にもたびたびドイツ語が登場します。これからの記事で、一つずつ主題歌・挿入歌を翻訳していきたいと思います。

 今回はその第一弾、「紅蓮の弓矢」。そんな訳で、この歌に出てくるドイツ語を翻訳していきたいと思います!

「紅蓮の弓矢」にでてくるドイツ語

Seid ihr das Essen?
Nein, wir sind der Jäger!
お前たちは食物か?
いや、俺たちは狩人だ!

 曲の冒頭に出てくるドイツ語です。上は「ihr(君たち)」が主語となり、英語でいうbe動詞の「sein」が二人称複数に人称変化し、「Seid ihr das Essen?

」(お前たちは食物か?)という疑問文が作られています。それに対し「Nein」(いいえ)と答え、「Wir sind der Jäger!(俺たちは狩人だ)」と主張しております。巨人に食べられるか狩るかという戦いを現した、緊迫感溢れるフレーズですね。

Angriff auf die Titanen
進撃の巨人

 間奏中に聞こえるドイツ語です。Angriffは「攻撃」、「Titanen」が「Titan(巨人)」の複数形です。直訳すれば「巨人たちの攻撃」ですが、文脈から読み取って「進撃の巨人」ということでしょう。

Der Junge vor einst der Wald zum Schwert greifen.
少年は森で剣に手を伸ばした。
Wer nur seine Machtlosigkeiten beklagte kann nichts verändert.
無力を嘆く者には何も変えられない。
Der Junge vor einst wird bald das schmarze Schwert ergreifen.
少年はやがて黒い剣を手に取る。
Hass und Zorn sind eine zweischneidige Klinge.
怒りと憎しみは諸刃の剣だ。
Bald eines Tages wird er dem Schicksal die Zähne zeigen.
近い日に彼は運命に牙を向けるだろう。

 これも曲の中で聞こえるドイツ語の文章です。ちょっと長めですね。最後の「Bald eines Tages wird er dem sichksael die Zhaene zaeigen」は直訳すると「まもなくある日彼は運命に歯を見せるだろう」という意味になりますが、これは意訳しました。

まとめ

 紅蓮の弓矢に出てくるドイツ語は以上となります。作品を呼んだことのある方は、曲の中に出てくるドイツ語の意味に納得がいったのではないでしょうか。次回は2クール目のオープニングテーマ「自由の翼」に出てくるドイツ語を翻訳いたしますので、お楽しみに。それでは皆様、Auf Wiedersehen!

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