Guten Tag! 東北大学言語学研究会の平田です。ドイツ語を勉強中の大学2年生です。
今回はドイツ語の「名詞の性」について学んでいきましょう。名詞の性とは何ぞや、と思ってらっしゃる方々も多いでしょう。これはドイツ語学習者が直面する最初の壁ですが、順当に学んでいけば決して手ごわい敵ではないはずです。
名詞の性とは?
まずドイツ語において名詞は全て最初の文字を大文字で書きます。これだけは押さえておきましょう。
本題に移りますが、ドイツ語において、全ての普通名詞には「性別」があります。例えば「Hund(犬)」という名詞は男性名詞、「Katze(猫)」は女性名詞、「Pferd(馬)」は中性です。メスの犬、オスの猫は当然いるでしょうし、そもそも中性って何ですか? 新生物?
このように名詞の性という概念に、我々日本人は馴染みがありません。少なくとも英語にはこのような概念はなく、初めて知ったという方もいらっしゃるでしょう。
基本的にどの名詞がどの性なのか、規則性は全くございません。例外として、「Vater(父親)」は男性名詞、「Mutter(母親)」は女性名詞、というのは明らかです。しかしこのように単語の意味から性が推測できる名詞というのは本当にわずかなのです。
よって今後ドイツ語の単語を学習するにあたって、私たちは名詞の性が何かも含め、覚えていかなければなりません。
定冠詞と不定冠詞
der Vater 父親 die Mutter 母親 das Kind 子ども
上の単語を見ると、dieだのderだのなんか変なものがくっついていることが分かります。これは定冠詞、英語で言うtheに当たるものです。名詞の性というのはもっぱら、この冠詞を定めるのに使われます。
またtheにあたる定冠詞のみならず、英語のaに当たる不定冠詞もまた、名詞の性に左右されます。
定冠詞 | 不定冠詞 | |
男性名詞 | der | ein |
女性名詞 | die | eine |
中性名詞 | das | ein |
姓に合わせた冠詞の変化は右図の通りです。ドイツ語の参考書にはもっぱら、名詞は「die Katze」のように定冠詞とセットで記載されています。学習の際には、この定冠詞と一緒に覚えましょう。
そして試しにこの冠詞を利用して、例文を作ってみます。
Die Katze ist süß. その猫は可愛いです。
この定冠詞を利用した文章の場合、「ある一匹の猫」を指して「可愛い」と評しています。それは近所の猫、ペットショップの猫、あるいはテレビをにぎわせるタレント気取りの猫かもしれません。Katze(猫)は女性名詞なので、定冠詞はdieになるわけですね。
Eine Katze ist süß. 猫は可愛いです。
不定冠詞eineを利用した文章です。こちらの場合、とある猫に限定せず、一般的に猫とは可愛いものだ、という文章になっております。筆者は猫派なのでこれは真理ですね、間違いない。
このように名詞の性という概念があって、それによって冠詞の形は変化します。新しいドイツ語のルールにまだ慣れないかもしれませんが、一緒に順応していきましょう。