ドイツ語の代名詞・動詞の人称変化

ドイツ語の代名詞・動詞の人称変化

 Guten Tag! 東北大学言語学研究会の平田です。ドイツ語を勉強中の、工学部2年生です。

 今日学ぶことは「私」「あなた」のような代名詞と、それに伴って動詞が変化すること。これを読み終われば、あなたはドイツ語で自己紹介ができるようになっているはずです。これでいつドイツ人に会っても大丈夫!(???)

 Ich(イッヒ) bin(ビン) Hirata.                     私は平田です。

 代名詞、つまり「僕」「私」「彼ら」のように自分自身や他の人を指す際に使う名詞です。

単数複数
一人称ich(イッヒ)(私)wir(ヴィア)(私たち)
二人称du(ドゥ)(あなた)、Sie(ズィー)(敬称)ihr(イーア)(あなたたち)、Sie(敬称)
三人称er(エア)(彼)
sie(彼女)
es(エス)(それ)
sie(彼ら、それら)

 一人称は「ich(私)」と「wir(私たち)」の二つだけ。どことなく英語の「I」と「we」に似ていますね。これは単純なのですが、ここから少し複雑になっていきます。

 二人称は「du(あなた)」、「ihr(あなたたち)」に加え、もう一つ「Sie」なるものが存在します。これは話し相手が学校の先生だったり、他の会社だったりなど、日本語であれば敬語を使うような相手に対し使用されます。つまりは敬称です。これはドイツ語独特のルールですね。

 三人称は「er(彼)」、「sie(彼女)」、「es(それ)」、そして「sie(彼ら、それら)」の四つがあります。ここで気になるのは、sieの存在。先ほど二人称の敬称としても出てきたうえに、「彼女」と「彼ら」が全く同じなのです。

どう見分けるか、それを次の章で説明しましょう。

人称変化

 Ich singe gut.                    私は上手に歌います。
 Du(ドゥ) habe(ハベ) eine(アイネ) katze(カッツェ).        君は猫を飼っています。
 Sie(ズィー) lernt(レルント) Deutsch(ドイチュ).              彼女はドイツ語を勉強します。

 ドイツ語の文章は英語と同様に、主語+動詞+修飾語で構成されます。例えば上の「Ich singe gut.」は「ich」が「私」という意味の主語、「singe」が「歌う」という意味に当たる動詞、そして「gut」が「上手に」という意味に当たる修飾語です。

 そしてドイツ語の特徴として、主語によって動詞の末尾が変化します。英語の三単現とは比較にならないほどそのバリュエーションは豊かです。

 例のごとく、表で見てみましょう。singenは「歌う」という意味の動詞です。

単数複数
一人称ich singewir singen
二人称du singst
Sie singen
ihr singt
三人称er
sie   singt
es
sie singen

 見てみると、singenの中でsingの部分だけが変化していないことが分かります。この変化しない部分は語幹と呼ばれています。そして変化前の形(ここではsingen)を不定形、変化後の形を定型と呼びます。どのように変化しているかよくご覧になって、覚えていきましょう。先ほど主語がsieの場合、どのように区別するかという問いを出しましたが、要はこの人称変化によって区別するのです。

 ほとんどの動詞の不定形はenで終わり、上の表のように変化します。

例外①:独自の変化をする動詞

  Er(エア) ist(イスト) ein(アイン) Student(シュトゥデント).          彼は学生です。

  先ほど「殆どの動詞は」と申し上げましたが、要はその「ほとんど」に当てはまらない例外があるということです。お約束ですね。

一部の動詞は、ルール通りに変化しません。代表的なのはsein(ザイン)(~になる)、haben(ハーベン)(所持する)、werden(ヴェァデン)(~になる)の三つで、これらはしっかり覚えておきましょう。意味を見ただけでも重要な、使う頻度の高い動詞であることがお分かりいただけるでしょうか。余談ですが、こういった文法における例外は頻繁に使用されるような単語に多いと私は感じております。

seinhabenwerden
ich bin(ビン)ich habe(ハベ)ich werde(ヴェァデ)
du bist(ビスト)du hast(ハスト)du wirst(ヴィルスト)
er ist(イスト)er hat(ハット)er wird(ヴィルト)
wir sind(ズィント)wir haben(ハーベン)wir werden
ihr seid(ザイト)ihr habt(ハープト)ihr werdet(ヴェァデット)
sie sindsie habensie werden

例外②:末尾がnで終わる動詞

 次の例外は、enではなくnで終わる動詞です。angeln(アンゲルン)(釣りをする)のように末尾がnで終わる動詞も存在して、これはnの部分を人称変化させましょう。一人称単数ならangele、二人称単数ならangelstといった感じです。そして一人称複数、三人称複数、二人称敬称のの場合、こちらも不定形のままです。

まとめ

 今回は代名詞、およびそれに伴った動詞の変化について学んでいきました。冒頭でも述べたように、これであなたもドイツ語で自己紹介ができるようになったはずです。

 試しに、下の空白部分に適宜単語を入れて、音読してみましょう。

 Guten(グーテン) Tag(タッグ), ich(イッヒ) heiße(ハイセ) (  ).
 こんにちは、私の名前は( )です。
 Ich komme(コメ) aus(アウス) ( ). Freut(フロイト) mich(ミッヒ)!
 ( )から来ました。よろしくお願いします。

 どうでしょう、ドイツ語が身についていることが実感できたのなら幸いです。それではまた、お会いしましょう!

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