Leçon1.5 リエゾン等~L’Arc-en‐Cielはエリジオンにアンシェヌマン!~

Leçon1.5 リエゾン等~L’Arc-en‐Cielはエリジオンにアンシェヌマン!~

ライター:大柴英斗

発音の方のお話。がっつりした発音規則などはいつかやる“Leçon0”に回すとして、今回はリエゾン、アンシェヌマン、エリジオン、有音のh、無音のhについて扱っていきましょう。

リエゾン

もともとは発音されない語末の子音字が、後ろの語頭の母音と続けて発音されるという規則。

  Champs-Élysées

ええ、これなんと読むと思いますか?「ちゃんぷすえりせーす」?
これはかの有名な「シャンゼリゼ」です。シャンゼリゼ通りのシャンゼリゼです。

まず、Champsですがこれは複数形です。前回の記事で複数形のsは発音しない、と申し上げました。つまりここでは、発音しないsとelyseesのeがリエゾンを起こして、「しゃんぜりーぜ」となるわけです。しかしsとeなんだから「しゃんせりーせ」になりそうですよね。実は…

①sやxがリエゾンするときは[z]の発音になる

 deux enfants ドゥザンファン 2人の子供
 (数詞deux+名詞enfant+複数形s)

②dがリエゾンするときには[t]の発音になる

 un grand artiste アン グランタルティスト 偉大な芸術家
 (冠詞un+形容詞grand+名詞artiste)

③それ以外は普通に

 un petit enfant アン プティタンファン 小さな子供 
 (冠詞un+形容詞petit+名詞enfant)

という規則の下でリエゾンするわけです。読んで練習してみてください。

ちなみに…
Élyséesはギリシャ神話における死後の楽園エリュシオンのことで、Champs-Élyséesはこれを由来とする命名なようです。Champは「畑」とかそういう意味で、複数形では「野原」「田園」という意味を表します。シャンゼリゼ通り周辺は元は農園であったらしく、そういった意味でもこの名前がつけられたのかもしれません。

アンシェヌマン

アンシェヌマンも語末の子音字が、続く単語の語頭の母音とつづけて読まれる現象です。リエゾンとの違いは「もともと読まれていた子音字」が直後の母音と繋がるところです。英語で“Can I”が「きゃんあい」ではなく「きゃない」って感じになるみたいなことです。

例えば

L’arc-en-ciel

アンシェヌマンを無視すると、「らるくあんしえる」です。これがアンシェヌマンをおこして「ラルカシエル」って感じになります。ちなみにarcはそのまま「弧」、cielは「空」を意味する単語で、enは英語“in”的なニュアンスの前置詞なので、「空の弧」つまり「虹」のことを表します。

他には

Il a  イル+ア→イラ(主語il+動詞avoirの活用)

なんかもアンシェヌマンです。

ところで、L’arc-en-cielについて、L‘のことを解説しませんでしたね。これがエリジオンです。

エリジオン

次に挙げる10語は母音の前に来るとき、以下のように語末の母音がアポストロフィになります。この10語だけです。意味も知っていなければ、覚えられないと思うので、とりあえずこのような規則があることを知っておき、このような形が出てきたときに「エリジオンだな」と思えるようにしておいてください。

ce→c’  de→d’  je→j’  la→l’  le→l’

me→m’  ne→n’ que→qu’  se→s’  te→t’

L’arc-en-ciel

男性名詞arcに付く冠詞leがエリジオンを起こしたモノです。

他には

J’aime/ je aime ジェム(主語je+動詞aimer)

無音のhと有音のh

フランス語のhについては有名なコピペがありますよね。

「フランスでは最初のHは声を出さないらしい」

「あたしはフランスに生まれないでよかった・・・orz
相手も初めてだったせいか不思議には思われなかったみたいだけど、
そうとう大きいらしい(///)」

「フランス語の話です」

ちょっとアダルティな話で、すみません…。
この話で知ってる方も多いと思いますけど、フランス語ではhを発音しません。昔、フランス語の先生が「いと」って言ってて、「糸?」って思ったら「人」って言ってました。あと「発音」を「あつおん」って言う先生もいましたね。発音できないわけではないんですが、慣れていないので、発音しづらいみたいです。
ちなみにフランス語のhはエイチでもエッチでもなく、アッシュですけどね。

語頭にくるhについては「無音のh(アッシュ)」「有音のh(アッシュ)」という二つがあります。

無音のh →母音字で始まる単語と同じように扱う

例)hôtel オテル 日:ホテル le+ hôtel →l’ hôtel

有音のh →子音字で始まる単語と同じように扱う

例)héros エロ 日:英雄、主人公  le+héros → le héros

つまり、無音のhの場合はリエゾンやエリジオンが起こるのに対して、有音の場合には起こらないってことなんですね。「有音」という言葉に惑わされそうですが、「有音のh」だからってhを発音するわけではございません。

有音か無音かは辞書を使って調べるしかないです。どうやらゲルマン系からの借用語とか、最近の外来語は有音が多いみたいですが…。辞書には短剣符†とかをつけて記されています。

まとめ

・リエゾン

 発音されない語末の子音字が、後ろの語頭の母音と続けて発音される

・アンシェヌマン

 発音される語末の子音字が、後ろの語頭の母音と続けて発音される

・エリジオン

 特定の10語が母音の前に来るとき、以下のように語末の母音がアポストロフィになる。

・無音のhと有音のh

 無音のhは母音で始まる単語として
 有音のhは子音で始まる単語として扱われる。 
 どちらもh自体は発音されない。

記事の記載内容については、調査や筆者自身の体験に基づいています。筆者自身の私見によって、「このように解釈すると良い」という内容を書く場合もありますが、厳密性を欠く場合がございます。誤った内容は記載しないよう気をつけていますが、もし誤りを発見されましたら、ご連絡くださると嬉しいです。

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