ライター:大柴英斗
今回から文法について扱っていきます。大学初年度、初の2外に挑戦となる方も多いでしょう。フランス語の記事については、弊学の初級フランス語で実際に自身が使った教科書の順番を参考にしつつやります。授業で困ったら見てね。
あと、質問も返せるものは返すので、ここのコメントとか、言語研Twitterまでどうぞ。(聞けるなら先生に聞いた方がよいですよ。専門家ですからね。)
名詞の性別
フランス語の名詞には性別があります。この話はフランス語に触れたことがない人でも聞いたことあったりするかもしれません。フランス語の名詞は
・男性名詞
・女性名詞
に分けられます。
例えば livre (本)は男性名詞で、table(机、テーブル)は女性名詞です。本は男性っぽくて、テーブルは女性っぽいですか? 別にそんなことはないですよね。(このご時世に性別っぽさを論じるのは危険ですね)
つまり、この男性名詞女性名詞という区分には、特に理由はないのです。やっかいですね。
一方、例えばそれ自体が性別を有している者は、基本的にその性別に従います。つまり、父親を意味するpèreは男性名詞だし、母親を意味するmèreは女性名詞です。当然と言えば当然ですが。
また、男性形と女性形を持つ名詞もあります。例えば、友達を意味するami。
この名詞の男性形はami(つまり男友達を表す)で女性形はamie(女友達を表す)となります。このような名詞は「男性形+e」で女性形を表します。
残念ながら、これは覚える必要があります…。語尾で判断したりできるものもありますが、どうしたって覚える必要があります…。ただ、名詞を用いる時には、その名詞の性別と数に合わせた「冠詞」を用います。この冠詞の形で、その名詞の性を判断することはできます。「冠詞」については次々回扱います。
新しい単語の性別はどうなるの?
日本でも日々新しい単語が生まれますよね。数年前にはなかったような言葉が、今は一般に流布して用いられたりします。それが生きている言語というモノです。
フランス語の場合、新しい単語に「男性名詞」か「女性名詞」か、を割り当ててやらねばなりません。アカデミーフランセーズという学術機関が、男性もしくは女性、どちらが正しい用法なのかを定めるようです。
最近で言うと、新型コロナウイルス。COVID-19は男性?女性?という問題です。
Covidとはそもそも coronavirus disease のことで、これをフランス語にすると、
maladie provoquée par le coronavirus
となり、maladie(病気)が女性名詞であることから、「女性名詞を正用とする」という判断が下ったようです。しかし、coronavirus 自体が男性名詞であるためか、COVID-19を男性名詞として使っていたところもあった様子。
複数形
複数形は「単数形+s」の形で表します。英語と一緒ですね。特殊な形もあるので以下にパターンを示します。ちなみに原則パターンで大事なことが。それは、複数形のsは発音しないということです。「いや、そんな話があるか」と思う気持ちは分かります。だって、s発音しないなら複数か単数か分かりませんもんね…。しかし、冠詞が付くのでこの悩みは解決されます。冠詞の話は後々。今は、複数形でも形変えなくて良いんだ、ラッキーくらいに思っておきましょう。ものは考えようです。
①sをつける。(原則)
例)cahier → cahiers (ノート)
② -s , -x → そのまま
例)bras → bras (腕)
③ -eu, -eau → 語尾にxをつける(eux,eaux)
例)bureau → bureaux (机)
④ -al → -aux
例)animal → animaux (動物)
終わりに
まあ今回はLeçon1ということでこの辺にしときましょう。次はこの名詞の頭に付く、「冠詞」についてやっていきます。ちょっと量が増えるのでご覚悟を。では~。
Au revoir!!
記事の記載内容については、調査や筆者自身の体験に基づいています。筆者自身の私見によって、「このように解釈すると良い」という内容を書く場合もありますが、厳密性を欠く場合がございます。誤った内容は記載しないよう気をつけていますが、もし誤りを発見されましたら、ご連絡くださると嬉しいです。