Guten Tag(こんにちは)! 東北大学言語学研究会のhiraです。ドイツ・オーストリア・スイスにて使用されているドイツ語を勉強中の、工学部2年生です。
ドイツ語と言えば、かっこいい発音です。ボールペンはKugelschreiber、黒豚はschwarze Schwein。とりあえず訳しておけば何でもかっこよく聞こえる、年頃の男の子が大好きそうな言語です。そんなドイツ語を皆さんと一緒に学んでいきたい、そう願っております。
今回ドイツ語についての記事は初となります。まずはその基礎の基礎、発音方法についてお話していきましょう。ドイツ語の発音ルールは至極単純。皆様もすぐに慣れていくはずです。
Guten Tag! Ich heiße Hirata. Freut mich. こんにちは! 私の名前は平田です。初めまして。
基本的にドイツ語はアルファベットで記述されます。Hallo(「こんにちは」の砕けた言い方)など英語とスペルが似通った単語も多く、中にはName(名前)といったように英語と全く同じつづりの単語も存在します。
ただしアルファベットは読みが若干異なります。右の図の通りです。アー、べー、ツェー、ゲー……とエ段で読んでいく感じです。Jはヨット、Yはウムラウトという特殊な読み方をしますが、とにかく実際に声に出して慣れていきましょう。
一方でドイツ語特有の文字も存在します。
まずは「ß」。これは「エスツェット」と呼ばれる文字で、「ss」と同じ発音です。
次に「ä」、「ö」、「ü」。母音に変な点々がついてますね。これはウムラウトと呼ばれる記号で、ドイツ語やスウェーデン語に用いられます。
ドイツ語の発音①:基本はローマ字読み
続いてドイツ語の発音方法について。先ほどドイツ語の発音は至極単純とお話ししましたが、全く持ってその通りです。基本的に、ローマ字読みをすればいいのです。Apfel(林檎)、Orange(みかん)、Melone(メロン)……こんな感じです。簡単でしょう? 英語で「know」を「ノー」と読まされたり「one」を「ワン」と読まされたりと意味不明な体験をしなくていいんです。やったね!
ただこれだけで済めば苦労はないのですが……下に例外的なルールをいくつか示しておきます。
ドイツ語の発音②:一筋縄ではいかない「J」、「W」、「V」、「Z」
まず例外的ルールの一つは、一部のアルファベットの読み方が英語と異なること。全部で四つあるので、順番に紹介していきましょう。
一つ目は「J」。英語では「ジェイ」と読みますが、ドイツ語ではローマ字のYの要領で読んでいきましょう。「Ju」ならユ、「Ja」ならヤ、と読みます。
ドイツ語の「W」は英語の「V」と同じ発音です。前歯を下唇につけて息を吐くアレです。
ではドイツ語の「V」はどう読むのでしょうか? 正解は英語のFと同じなのです。ちょうど英語の「for」に当たる前置詞「vor」は「フォア」と読みます。
最後に「Z」ですが、これは「ツ」と読みます。英語の前置詞「to」に当たるドイツ語の前置詞「zu」は「ツー」と読むのです。
ドイツ語の発音③:特別な母音
eins, zwei, drei… いち、に、さん…
ドイツ語は基本的に子音と母音を合わせてローマ字読みすればよいのですが、母音が連続している場合はその限りではございません。二つの母音を合わせると特別な読み方をする場合があります。下の表にまとめましたのでご覧ください。
綴り | 読み方 | 例 |
ei,ey,ay | アイ | eins(数字の一), zwei(数字の二), drei(数字の三) |
eu,äu | オイ | neun(数字の九) |
ie | イー | vier(数字の四),bier(ビール) |
au | アオ | auch(~もまた) |
日本語の歴史的仮名遣いで「あう」を「おー」と読んだのに似ていると思うのですが、どうでしょうか。母音に関してのルールは全部で四つ、逆に言えばこれ以外はローマ字読みで事足りるのです。
おわりに
これまででいくつかのドイツ語のルールを記してきました。まず基本はローマ字読み、ただし英語と違う読み方をする子音があるのと、二つ合わせて特別な読み方をする母音がある。初学者にとっては一気にいくつもルールを提示され、戸惑いもあったかと思います。
ここで残念な話です。まだ発音のルールはいくつかございます。
まず冒頭で述べた「ß」、「ä」などドイツ語特有のアルファベットの読み方。そして母音と同じように、子音の中にも二つ以上で違う読み方をするものがあります。
スペースが少なくなってきたので、次回になります。